今週のポラ_60、<タイトル、またはキーワード>
先週は、「ストーリー」というキーワードをご紹介した。
ある撮りたい写真群の漠然としたイメージがあり、そのタイトルにしたい、
さらには、その写真群のコンセプトにしたいと思った言葉である。
今週、正確に言うと昨日
思いついたのは「2Days」というキーワード。
「エッセンス」という、キーワードも同時に思いついたのだが
「2Days」の方が、気に入っている。
タイトルと言ってもイイ、つまり「先に言葉ありき型」、写真の方法なのである。
このやり方の場合、写真の内容に関する言葉を用いることを避けたいと思っている。
たとえば、「パリの思い出」とか、「イラクの悲惨」とかいった、まぁ陳腐なやつのことだ。
その写真群の外縁に属する事柄を、なるべく具体的に、記述したいと思っている。
この発想は、先々週だったか?
モデルに対する、ポーズや表情の指示の仕方tipsで書いたことと、似ている。
つまり、2Daysで「何を、どう」撮ったかは、写真から感じていただく
僕が提示する情報は、二日間に見た、撮った光景・写真群であるということのみ、なのである。
時には、「何処で?」という、情報も提示することがあった
たとえば、「ソウル イン パッシング」「ハワイの赤外旅行者」など
しかし、それもどうかすると
オーディエンスが何かを写真から、感じ取る可能性を制限するかもしれない。
予感を与えてしまうかもしれない。
「予め、感じて欲しい"予定""メッセージ"」は何もない・・・そんな写真が、僕は好きだ。
話は少し戻るが、
「ストーリー」と言葉に僕が託したいのは
「実は、これらの写真群、虚構なのです」という事実。
写真に写されたことは、確かに存在した・・・が、虚構のシチュエーションの中でである・・・・というエクスキューズでもある
つまり、もしオーディエンスが「本当らしさ=リアリティ」を、写真に感じたのならば
「リアリティなんて、そんなものです」というメッセージが、その人に返ることになる。
予め用意された、メッセージ、ちゃんとあるじゃないか?
んーん、インタラクティブなメッセージ?・・・・苦しいな、正直、僕も「考えながら」書いている。
とりあえず、今、書いていることは、僕の言葉へのこだわり方の「ひとつ」だ。
今、書いていることの伏線は
今週末から週明けにかけて3日間、パリに出かける予定に絡んでいる。
つまり、一日の仕事=取材は別として
たった、二日間だけれど、(パリで)写真を撮るチャンスがあるわけだ。
ちなみに、このサイトをパリから更新するという計画はやめにした。
出版社が用意してくれたホテル
そこでのインターネット接続環境が、良くはなさそうだったからというのが理由である。
もっとも、それ以前に、「たった3日間で、更新する内容もない!」のだが・・・
で、その二日間に、何らかの写真は撮るのだろうけれども
そのタイトルを考えたりしていたのが、先週の「ストーリー」と絡んで
上の文章になったわけである。
気が早いというか、「捕らぬ狸の皮算用」というか・・・・「呆れて」いただいて結構である。
ちょっと、楽しみにしているのは
4年前の秋にモノクロで撮ったパリのスナップを
この夏あたりに、きちっとプリントでまとめようと思っていたことと、絡んで
4年の歳月をはさんで
かたやモノクロのフィルム、かたやデジタルカラーの写真が
ほぼ同時に、完成?リリース出来るかもしれない点である。
どんな写真を撮るのか?撮れるのか?も、わからないのに
まったく「捕らぬ狸の皮算用」ではある
さぁ、それはこの空の下!