今週のポラ、68<切ない季節?>
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「切ない季節」がやってきた。
何が「切ない」と言うわけではない
晩秋の秋晴れ、低く澄んだ日差しが、切なかったりする。
もちろんこれからやってくる「冬晴れ」は、さらに「切ない」のだけれど・・・

半年振りぐらいで、モノクロのネガ現をやった。
ベタ焼きも続いてやろうと思ったが、その仕事は週末まで引き伸ばして
こうしてサイトの更新を始めた。
(註:文章は一部先週書いたもの、本日11月27日時点で、プリントまで仕上げた。)

時系列の混乱は、「それはそれ」として楽しんでいただきたい。
上に掲載の写真は、今日プリントした、多分夏に撮った写真である。
乾燥前で、まだバットの中で濡れている状態。
下の文章にある、88歳の親戚の遺影プリントのついでに焼いたものだ。
プリントは、ミュージアム仕様バライタペーパーを使い、セレン調色まで施した
・・・・ずいぶん久しぶりの本格的処理なので
ついでに、「お気に!の雲の写真」もそうしたと言うわけだ。

モノクロ現像をしたのは、撮影済みフィルムが溜まったからというわけでもなかった。

88歳になる、父(故人)の従兄弟が、遺影にするポートレートを撮ってほしいと

はるばる、大津からやってきたからだった、

その人は、いわゆる(家系図的に)本家の当主である。

もう10年以上も会ってなく、もともと、それほど近しい親戚というわけではなかったのだが

わざわざ「遺影」を撮って欲しいとの御依頼、光栄にお請けする事にした。

つまりその遺影用の写真は、モノクロのフィルムで撮ったわけである。

実は、彼の依頼はまだあって、先日の撮影で終わったわけではない。

スナップ編を、今度は大津まで出向いて撮る約束になっている。

それにしても、贅沢な遺影撮影プランだ。

さて、久しぶりにモノクロ現像などをすると

半年前に作った現像液の原液は弱っており

通常の現像時間より長めに現像したり、希釈率を濃い目にしたり、さじ加減が必要になった。

とはいっても、それはモニターを見ながら出来るわけでもなく

「勘」に頼った「さじ加減」なのだ。

そうしてみると、デジタルデータのRAW現像というのは、便利だ!

35mmで撮っているのに、ひとコマひとコマを、露出・コントラスト・カラーバランスまでも調整しながら現像できる。

ただ端に「便利になった」では済まされぬ「変化」を感じている。

しかし、そのデジタル画像の「なんだかシャープではない感」を
いつもなにげに感じていることも事実である。
ここは誤解されてはいけないので、付け加えておくが
フィルムの画像も、引き伸し用の拡大ルーペで見ると「全然シャープではない」
同じように、デジタル画像をピクセル等倍で観察すると、「嫌になるほどシャープでない」のだ。
僕の使っているカメラに関して言うと、もう少し縮小した倍率で見ても「キリッとシャープ感」はない。
原因のひとつはレンズ、
現にある種のレンズを良い条件で使うと、「キリッとシャープ」なのである。
もうひとつ、フィルムでは気づかない微小なピンボケもある。
さらに、現在市場にあるほとんどのデジカメが採用している方式に、
論理的な問題があるのではないかと最近疑っているのだ。

「仕組み」について書き始めると、相当面倒なので簡単書くと
ベイヤー配列方式のカメラでは
レンズが結像した像を、いったんわずかにボカしてから(例外もある)、3色に分解した後
論理的(ソフトウェアーで)に、デジタル合成している。

最近とあるサイトで、そのぼかすためのフィルターを取り外しできるカメラで、有り無し比較画像を見た。
ぼかしフィルター無しの画像が、どれほどシャープだったことか!・・・・僕はショックを受けた。
もちろん、ぼかしフィルターは、必要だからついている
それがないと細かなパターンの絵柄(たとえば、生地の布目)で、本来の色とは違った色が滲んだり
モアレと呼ばれる、これも本来はない縞柄が現れたりする。

さて、また新しい「100万円コースの物欲」に感染した僕だったが
一昨日、帳簿の整理にやってきた会計士の「報告」を聞いて
かなり凹んでいる、「物欲」がである。

先ほどまでやっていたモノクロプリント作業は「ある種刺激的」だった。
右上の文章で、フィルムの画像も引伸ばし用のルーペで見ると「全然、シャープでない」と書いたが
今日は「全然シャープ」だったのだ。
カメラはハッセル、レンズはツアイス・ゾナー180mm、フィルムはコダックのT-Max100
6x6のフィルムをA2近くまで、拡大した状態での話しだ。
フィルムが良い!という結論ではない。
しかし「不自由な」フィルムの仕上がりには、存在感がある・・・多分工程が「不自由」なだけに!!
モノクロは「大変」で「楽しい」と、簡単に言い切ってしまうのも「嫌だ」

良い写真を撮るために、一番大切なことは
体調を維持することだと思う
特に、精神的な部分、たとえば感受性とか、冷静な判断力とか
9月以来、丸々休日が何日あったか?という忙しさの中
夜8時、9時に床に入り睡眠時間を稼いだのも、その体調を維持するためだった。

明日も、朝から「きっと快晴」の空の下、体調を維持して
某大学案内パンフ「巻頭グラビアページ」の撮影予定。
デジタルカメラだ
デジタルカメラで自らの感性に応える写真を撮ることが出来るか?
何度も、フィルムに逃げようと思ったこともある。
逃げた仕事もあった・・・明日はやってみようと思っている。
自分自身への挑戦であったりする。
もうひとつ、頑固にではなくモノクロフィルムで写真を撮るシステムも維持していこうと
今日のプリント作業は思わせてくれた。