7/27/2008更新
「今週のポラ」 vol.02 

絞りってわかりますか? 
レンズの中にあって、通過する光の幅を調整する大きさ可変の窓のようなもの
人間の眼で言うと虹彩に当たるもの。
大きさは「F1.4」のように
大文字のFと数字の組み合わせで表示します。
数字が小さいほど、窓は広く光をたくさん通過させます
たとえば、F1.4はかなり光をたくさん通す、光が少ない暗い状況で使う絞りです
逆にF22なんて言うのは、とても小さな窓で
光をあまり通過させない・・・ですから明るい状況の時によく使われマス。

要するに、絞りは光の通過する窓の大きさを調整し
シャッターは光が通過する時間を調整し、双方の組み合わせで
全体としてフィルム(またはCCD)に当たる光の量を調整するわけです。
さらにどう調整されるのが適当かというと
ある感度のフィルム(感光体)に対して、
絞りとシャッター速度を調整して、一定の範囲の光量があたるように調整します。
絞りとシャッター速度の適正値を、明るさを計ることで
計算し指示してくれるのが露出計です。
「私は露出計を持ってない!」・・ご心配なく大概カメラに内蔵してます。

くどいようですが、レンズの外(被写体)が明るいときは
絞りを小さくしてシャッターを素早く閉めて
光がフィルムに当たりすぎないようにする。
逆にレンズの外が暗いときには、絞りを大きく開いてシャッターも長い時間開いて
十分な光がフィルムに取り込めるようにします・・・まるで写真講座!
フィルムに当たる光量を調節するために絞りを大きく開いたり、小さく絞ったり
シャッター速度を早くしたり、遅くしたり
それぞれコントロールするわけですが
絞りは、ピントの合う前後の範囲を広くしたり狭くしたり
あるいは、レンズの解像力性能が良くなったり悪くなったり
そんな副作用もあるのです
シャッター速度は、ブレたりブレなかったり、積極的にはブラした表現もできたり
そんな様々な癖をトレードオフしながら
組み合わせを考えて露出(フィルムに対する適当な光量)を調整し
何らかの意図をイメージに託すのも写真術の一部かもしれません。

ところで、F3.2F32って似てますよね
それが絞りのダイヤルのそれぞれ右端と左端にあったとしたら・・・
ボクの露出計は、F32が適当だと指示していました
ボクは絞りのダイヤルをぐるっと回し、f32にしたつもりでした。
そしてできあがったポラがこれだったのです。
簡単に言います
F32が適当な明るさの被写体をF3.2で
光をたくさん取り込みすぎて(約100倍ほど!)撮ってしまったのです
いわゆる露出オーバーというやつ!

ここからが肝?ミソ?
ポラロイドってやつは
正確に言うと富士フイルム製のフォトラマというインスタント写真ですが
こいつは光が当たりすぎると(明るすぎる)真っ白になるのを飛び越して
明るいところは暗く、暗いところは明るく、(色相も)反対に写る癖がある。
ソラリゼーションのような感じで、面白い表現になることもあります。
数年前に、仕事のポラで今回のように全面的ではないが
明るすぎる一部分がソラリゼーション(階調の反転)し
「面白いイメージだからそんな感じで本番をいきたい!」
とデザイナーが言いだした。
ポジフィルム(普通、印刷用に使う)ではそんな感じに撮れないので
やむなく、そのポラロイドを印刷原稿に使ったこともあります。
まぁ、要するに失敗が面白い!ってことですか。

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