・・・カメラ毎日「ある南の島で」浅井慎平の文章より・・・・

沖永良部島へは、翌日の船で出航した。
その次の日の夜明け、ともかく船は沖永良部島に着いた。
珊瑚礁、青い空、蒼い海、白い砂、
そして蛇皮線の島それが私のイメージだった。
東京に帰ってきて、私のコンタクトを見た友人が笑っていった
「あんなに憧れていたオマエのエラブはどこにある」・・・

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・・・・以下の文章は1972年当時の日記帳からの抜粋・・・・・

11/29
朝、少し歩いてみる。 朝夕の斜光線はいい。
徳家の家を覗いてみると、写真とはまた違った良さがある
また撮ることになると思う。
明日からは早起きして、朝食前に1〜2時間歩いてみよう。

11/30
朝からどしゃ降り、今日は現像だけになりそう。
でも徳家のあの家へは雨の中
写真を撮りに出かけようと思う。

12/1
写真は淡々と撮ろうと思う。
今日は表側、知名から和泊方面、ウジジ浜に向かう
うまくいけば国頭中学のガジュマルの樹も

左の写真が
そのガジュマルの樹
12/11
選挙の開票速報にも飽きた、正直なところ、帰りたいよ
手応えのある場所に。
現像を先にしようか?
それぐらいが、ここから抜け出せる唯一の道か?
それとも、知名の百貨店の女の子でも見に行こうか?
とにかく、くだらないこの頭め。
写真をすること、現像をするだけで頭がすっきりして
まるで別のことまで理解できる。
というのは、T.T.のことなんだけど・・・
彼女にとって僕は"All or Nothing"ではないんだ。
彼女にとって僕はAllでもなければ、Nothingでもない
「南部さん」なんだ
多分そんな風につき合っているうちに
まったく新しいsomeoneを僕は見つけるだろう。
12/17
朝、和泊より発つ、船酔いで気分悪し。
徳之島・亀徳より、T.T.へtel、何も話せなかった。
神戸からもう一度telしようかとも思う
ホントは逢いたいんだ。

12/18
退屈で暗く狂おしい夜が明けた、
結局、今ではバッグの中のネガが
僕の沖永良部を証だてる唯一の宝物のように思う。
ボクは僕だけの宝物をもって、帰るというわけだ。
12/22
T.T.へ
あなたからの "Merry Christmas" 今日届きました、
二日ほど早いけど"Merry Christmas and Thank you"
今年中は沖永良部で撮った写真にかかりっきりになりそう
クリスマスもお正月も東京で。
友達もほとんど帰ってしまうので
一人っきりのお正月です。
貴女には、手を触れているという実在感ありますか?
サミシイ時ありませんか?
サミシクテ仕方ないときありませんか?
自分がしていることに、まるで自信がなくなって
何か手触りのあるモノ
手応えのあるモノに触れたいと苛立つこと、ありませんか?
夏、貴女がボクのノートに書いたように
「ただ通り過ぎればよかった」のかもしれない
タバコばかりを吸って考えています
love letterを書いてしまいそうで・・・
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