Wednesday, March 07, 2007更新

お仕事ポートフォリオ ホッチポッチ@fan

Special !!
初めに、このテストにご協力いただいた
モデルの久保アンナ(MASSIMO所属)、そのマネージャー掛塚氏
アジアスタジオの安井先生
オオバフォトスタジオの大羽君
ディスパラドールの風間君に

lots of thanks !!!
もうお一人
画像のクォリティに妥協することなく作ったため、総容量2GBを軽く超えてしまったこのサイト
コレを預かって頂くこと、快くご承諾いただいた
総持院.comのオーナーで御住職の牧野氏にも多謝!
 

4月19日、朝10時集合で決行したこのレンズ・ミーティング
題して『狂気のレンズテスト』
きっかけは、2ヶ月ほど前、暇にあかせて作った『本気のレンズテスト』
そのテストに対していただいた批判的なご意見に
「じゃあ、応えてやろうじゃないか」というのが動機だった

どんなご批判だったのか?
前回のテストは
自然光で2時間ほど窓辺の静物を被写体にしたのだったが
自然光が災いして、光の環境が一定ではなかった
「そこ」を批判されたのだった
確かにごもっとも、反省した
「言い訳」をさせていただけば
その変化も面白いかな? と思ったし
いかにもテストではなく、スナップ風の画面にしたかったという『わけ』もあった
もうひとつ
前回のテストでは、開放撮影のみのテストであった
確かに、開放での撮影がレンズにとって一番シビアな結果を出すのだが
絞った時のそのレンズの一番美味しい描写も
今回はぜひ、お見せしたかった
明るいレンズの絞った描写と
少し暗いレンズの開放の描写とを
比べることも出来る
さらにさらに
先日来、平面保護フィルターと絡んで、話題になっている
逆光での描写
シフトレンズでの、フルシフト時の描写
マクロレンズでは、セットを少し変えざるを得なかったが
接写テストも行った
今回は、3人のカメラマンに声をかけて手伝っていただいたので
テスト対象のレンズも増えた
特にNikkor!
Nikkorがアダプターを介して、EOSにつくことは知っていたが
レンズもアダプターも持っている人をこれまで知らず
今回参加していただいた安井先生が
EOS_10Dを導入されたのを機に可能になった
ならば!っというわけで
同じNikkor50/1.4をつけたメーカー違いのカメラテストも
同時に実行した
そちらは安井先生のご担当で、近日中にそのサイトをお知らせできると思う
このテスト、どんな雑誌もメーカーとのシガラミでやりにくいはず
結構必見かもしれない

どんどん、項目が増えて
レンズの総数47本だったかな? 画像数は222枚
フルサイズ画像(4064x2704)では一枚4〜5MBを超えてしまっている
JPG圧縮を最高解像度にし、1/4縮小画像(1016x676)を追加したら
すべての容量は、2GBを越えてしまった!!

まずはセットをご説明しておこう
上の2枚の写真は前日に作ったセット
結局このセット、使われることはなく、当日の朝早く撤去した
簡単に「その心」をお話しておけば
「いかにもレンズテスト」ではなく見て面白い写真を目指した
さらに、絵画的にしてみようかと・・・
白いレースはモデルの身体に巻くつもりだった
オーディエンスに楽しんでもらえるよう、『色気』にも配慮したのだが・・・
「ちょっと、古いな」ってのと
歪みをチェックする格子状のものを上手く作れなかったのが使わなかった理由だ
スタイリストにも参加してもらえばよかったと思ったが、もう遅かった

・・・・・・・というわけで左側・上の写真
モデルが帰ってしまってから撮ったので
アンナ(モデル)の代わりにボディ型のハンガーを置いてある
カメラ機種別テストはレンズテストが終わって
モデルを帰してから、撮ってないことに気づいた
なのでこのセットをそのまま使っている

黒バックにしたのは、逆光テストでフレアーを見るためだ
黒バックにすることで、周辺減光をチェックするのは難しくなったが・・・
樽型・糸巻き型の歪曲はぜひ(自分が)見たかったので
格子状の物を画面周辺に入れるコトは譲れなかった

ライティングは、フロント・トップから
120X180のライトボックスにバイチューブのストロボヘッドがひとつ(つまり2灯)
手前下にアンブレラバウンズのヘッドがひとつ
本来ならば、下からのライトもデュフューズにしたいのだが
何せ、テストするレンズが14mmから300mmまで
セットの大きさは人物七部身を想定し
スタジオ玄関ドアを開けて下がり、300mmでなんとか収まることを確認
しかし14mmで同じ範囲を撮ろうとすると
デュフューズ面が三脚を立てるスペースをなくしてしまう
手持ちで撮ることも考えたが
ピント面の安定と平行を維持することに神経を使うのでやめた
実際、当日の撮影ではアンブレラ上に三脚の脚を乗せて撮影している
左上、格子外からこちらに向かっているライトは逆光テストライト
逆光テストの時以外は向かって左外に向けてある・・・しかし発光はしている
その理由は、すべてを一台のジェネレーターから調光して逆光の比率を一定にし
なおかつ、調光の手間を少なくするためである
外に向けてある時には、まったく被写体への影響はない
逆光ライトの調光配分については
下でもう少し詳しく写真を使って説明してある

もうひとつ、このスタジオには天窓がある
そこには紗幕を張って、日中の光でも
ストロボに比べて、二段以上落ちるように調整した
暗くなってからは、同じ紗幕越しにHMIライトを点灯
これはピントを合わせやすくするサービスライトの役割と
昼間の定常光の代わりである
もちろん、露出は常に
モデリングライトを含む定常光も含めた値をとっている
必要に応じて、つまり明るいレンズで、ストロボ光量を少なくした時には
モデリングライトを消灯したり
定常光とのバランスはモニターしている

左の写真はそのセットを横から見たもの
この写真で被写体の詳細をご説明しよう

金物の格子は、歪曲を見るため
実は、向かって右の格子が若干奥にある、多分1、2cmというところか?・・・失策である
バラは造花で、その繊維の質感まで見えるかどうかがポイント
さらに、赤の飽和を見たいというリクエストもあった
左下には、お決まりのマクベスカラーチャート
右の格子に蛇のように絡み付いているロープは
前ピン後ピンを見ると同時に
ピントが多少前後した場合でも
その麻の質感描写から、レンズ性能を推測するためでもある
左右の格子の間に張られた糸は、ごく普通のミシン糸
モデルが、ピント面を判りやすくするために張った
糸の撚り合された繊維まで表現できれば、解像力はすごいと言える
繊維で解像感を判断する材料としてはモデルの衣装も重要だ
薄物の、二重のようになったワンピース
表面のメッシュ状の布はレンズ性能をよく表現してくれた

ウェストにはビニールのベルトポーチを巻いてもらい
その素材感をチェック項目とした

モデルとその衣装は
本編の写真を見ていただきたい

露出の説明

露出計はミノルタのフラッシュメーター4を使用
紙幣とカラーチャートの真中、格子の端で
格子にその背面をピタリとつけて測光
それぞれのレンズの開放絞りと二段絞った絞りに測光値がなるよう
ストロボのバリエーター(電圧調光)とコンデンサー調光を組み合わせ
電圧調光のアップ・ダウンはなるべく少なく、調節している
そこで賢明な方は
「色温度が狂わないか?」と指摘するであろう
4,700度Kを中心にプラスマイナス70度ほどの違いはある
現像時に、キャノンEF50/1.4で撮った写真の
カラーチャート/グレーをグレーポイントとして、すべての画像に適用
意図としては、それぞれのレンズの色の偏りを見るためなのだが
正直言ってそこでプラス・マイナス合計140度Kほどの狂いは出ているはずだ

逆光の説明

先にライティングの説明で書いたように
トップに2灯、下から1灯、そして逆光のスヌート付が1灯
すべて均等の出力配分にしてある
その逆光をモデルの胸に当ててみると
右の写真のような明るさになる
そのライト、画面の外ギリギリに配置した
テスト中の印象としては
その位置の微妙な差が結果に大きな影響を与える
大きな差が出てしまったと思われるカットでは
逆光の位置と向きを調整し、再撮影した場合もあった

ピントについて

左の写真ピントを合わせの指標にした、インドのお札
皆様おなじみの1$紙幣を用意したのだが
ちょっと、コントラストが低く、「50」の文字がはっきりしている、この紙幣に変更
この写真はTSE90mmをF11まで絞って手持ちで撮影
紙幣の描写、金物の格子の質感、糸の描写など
レンズテスト画像で何処まで再現されているか
比べられるよう掲載した

各レンズテスト画像では
ピントが必ずしも紙幣に合っているとは限らない
情けない話だが、モデルに合っているとも限らない
実はピント合わせが非常に難しく
一枚撮るごとに、PCに送られた画像をモニターでチェック
お札またはモデルの何処かに合っている場合は「良し」としたのだ
正直言って本当に難しかった
AFが使えるレンズではAFも使ってみた
AF、MFどちらかが良いという一致した傾向はなかった

最後に

撮影した画像と現像処理と、その後の処理について御報告しておこう
まずカメラは、EOS-1Ds、RAW+JPGモードで撮影
シャープネスはOFF、WBは4700度Kにあわせたが
RAW現像時にグレーポイントを拾いなおしているので、実画像には反映していない
パラメーターとしては、カラーマトリックス=1(sRGB,ノーマル)
WBは先に書いたように、カラーチャートから拾っている
シャープネスはOFFで現像
その後Photoshopで半径=1pic、適用量100%、しきい値=0、よくデフォルトで使用される値を採用し処理
その処理後、フルサイズJPG、1/4縮小JPGともに
圧縮率は最高画質=100に設定、BBのHTML生成自動処理で作成している
その際も当然、USM、オートレベルなどすべてOFFでWEB用の画像を作ってある

撮影時、リモート・キャプチュアを使い
撮影画像は、即、PCモニターでチェック
その段階でいくつか発見があった
ひとつはIEEE1394経由で画像を送った場合でも
ごく稀に、データが破損することがあるということ
もうひとつ
JPGのビュー画像が破損している時
RAW画像を現像して見るのだが
スモール低圧縮のJPG画像は
シャープネスOFFで速攻現像されたRAW画像より
かなり画質が落ちると言うことだ

最終的な現像には、BreeseBrowser_2.6を使った
PHASE_ONE社製、CaptureONE_DSLRでの現像も試したが
BBと比較して、現像結果がオーバーな印象があり
今回はBBでの現像を採用した
そのソフト別比較画像もアップするつもりでいるが
簡単に言うと、半絞りほど明るい現像結果となった
さらに、高感度撮影では、C1の美点であったローノイズ感が、ISO50では差がなく
ピクセル等倍で見た解像感に、違いもなかったのでBB現像を採用した

すべての画像に、キャノンEF50mmで撮ったグレーバランスを採用し
レンズごとの色の違いを見ようとしたのと同様に
明るさについては、撮影時の入射光測定そのままの値で撮ったRAWデータを
現像時露出補正なしで統一した
これによって意外な面が現れることとなった
それは、ほとんどすべてのレンズで言える結果となったのだが
開放での撮影が、二段絞った時よりも、かなり暗いのである
その差、半段から2/3段・・・・ちょうど、BBとC1現像結果の差に近かった
つまり、BBで現像した写真は、二段絞ったものがほぼ適正露出
対してC1で現像した場合
開放で撮影したものがほぼ適正
二段絞ったものは若干のオーバーと言う結果だった

・・・・・・・・・・・・では、お待たせしました
『狂気のレンズテスト』その全貌は
ここ
をクリック